日 時 2021年11月16日(水)19:30~21:00 参加者7名 Zoomで実施 
テーマ 『それぞれの現場から、こんな場面どうしますか?』

● コミュニケーションにおける表現の苦手な高学年の子。

 低学年と一緒に遊ぶことが多いが、その輪の中で自分の思い通りに仕切りたいという気持ちが強く、周りの低学年の子たちはその関係性に抵抗を感じている。そんな中、その子と低学年の子どもとでトラブルが始まり、職員は少し離れた場所で見守っていた。高学年の子が思わず相手の子に手を出してしまった。そんな時みなさんはどうしますか?

○ 高学年の子の気持ちを聞き、相手の気持ちを丁寧に伝えていく。その経験を積み重ねていく。
○ なぜ高学年の子は、低学年の子たちを仕切りたいのか。その背景と原因を探る。
○ 言葉で伝わりにくいのであれば、違う手段を考えてみても。
○ その高学年の子が憧れるような子がいれば良いよね。などの話が出る。

この話の続きとして、高学年の子が手を出した後も、指導員はその場にすぐにはいかず、様子を見ていると、高学年子の方から指導員に向けて『謝ったらいいんやろ。』と言い、その後、その子は自ら謝っていた。出た言葉はともかくとして、高学年の子が、自ら行動を振り返り、どうすれば良いかを考え、行動に移すことができたことが指導員として嬉しく感じた。すぐに駆け寄って言葉を掛けることもできたが、待ったことによって、その子の主体的な行動を引き出せたことが良かったように思う。手を出すことはもちろんいけないことではあるが、その子のことを知り、これ以上は手を出すことはないと感じた時には、“待つ”という選択肢があっても良いのではないか。という投げかけであった。

● 同じ現場で働く職員に対して。

保育室に入った時、子どもたちの気持ちが落ち着かず、物が散乱していたり、子どもが走っていたりという状況であった。ケガをしてしまうのではないかと自分は感じているが、その状況で保育している職員にどのように伝えたらよいのか。みなさんならどうしますか?

○ 状態が今より悪くなることが予想されるときにどんなことをするのか。その状態を止めるのか。流すのか。やはり同じ現場で働く人たちがチームとしてどうしていきたいのか、目標が共有されていないと難しい部分がある。

○ 現場の仕事として、子どもにけがをさせないということは非常に大切なことではあるが、それと同時に子どもの自尊感情を高めていくことも大切なことである。ただ、止める、流すという話だけでなく、何を大切にするかという視点をチームで共有されることが大事だと思う。などの話がでた。

研修に参加した報告を通して
【子どもの権利条約フォーラム2021INかわさき】

子どもと一緒にオンラインで参加することができた。一緒に“なんでやねんすごろく”を行ったが、現地のスタッフに、自分で選んだことをたくさん褒めてもらえることができた。そのことを子どもと共に非常にうれしく感じた。普段の生活の中で、なんでやねんと思うことがたくさんある。子どもだからといって、言えないことが現状多くあるが、子ども自身が自分の権利に対して『なんでやねん』と言っていいんだということが実際の体験として感じることができた。その他に子どもの権利条約に対しての日本の現状について、民法820条と822条“懲戒権”の存在についてやこども庁創設の話などの報告もあった。

日本では特に
○ 社会規範というものに縛られていることが多い。
○ 何でも親の責任にしてしまっている。
○ 家族という捉え方を再考しなければならないのでは。
○ 子どもの声がしっかりと反映される。そんな文化を創造していく必要がある。
研修の報告を受け、などの感想や意見がでた。

今後もしょうけんでは、参加者の“こんなことやってみたい”や問題提起などをみんなで出し合って、討議していく。